リハ栄養指導士 取得者の声

リハ栄養指導士を取得された先生方に3つのご質問にお答えいただきました。
① リハ栄養指導士を取得した理由
② リハ栄養指導士取得後の臨床への活かし方
③ リハ栄養指導士に関する学会への要望

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コムラード株式会社
街かど保健室 訪問看護ステーション街家/
ナーシングホーム街家  看護師

茨木 あづさ

 リハビリテーション栄養との出会いは、2012年7月9日に行われた東海支部セミナーへの参加からです。勉強意欲に駆られていた私は、迷いなく飛びつきました。当時は、一般科と療養型を持ち、リハビリも盛んにおこなわれている病院に勤めておりました。リハビリテーションの強度を上げることで筋力が強化されるのではなく、栄養も同時に摂取しないとリハビリによって栄養状態を悪化させてしまうことを知り、病院に帰り慌てて患者の栄養状態と食事提供量と摂取量を確認したことを覚えています。 
入院中に栄養療法とリハビリテーションを行い、退院された後の自宅に訪問に行くこととなった訪問看護ステーションでは、国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health、ICF)により全人的に評価を行い、心身機能・身体構造、活動、参加といった生活機能と、健康状態、環境因子、個人因子を評価しています。2020年12月にリハビリテーション栄養指導士を取得しました。NST専門療法士や臨床栄養代謝専門療法士:在宅専門療法士も同様に取得しているため、在宅でもリハ栄養を行い障害者や高齢者の機能、活動、参加、QOLの向上に寄与することができるよう努めております。自宅での栄養評価は、生活者として療養しており、それぞれの生活様式や考え方も異なることを考慮しなければいけません。入院で頑張ってきたリハビリや栄養療法を継続するため、在宅でもリハビリテーション栄養の必要性や重要性を理解する医療職が、もっと増えることを希望いたします!

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群馬大学医学部附属病院
看護部  看護師

市川 佳孝

 私は2016年の富山で開催されたリハ栄養研究会(当時はまだ研究会でした)に初めて参加しました。その後、2017年に学会に入会、2020年にリハビリテーション栄養指導士(以下:リハ栄養指導士)の資格を取得しました。そんな私(リハ栄養指導士)から学会への要望を3つ挙げさせていただきます。
① リハ栄養指導士取得後の学術集会・研修会などの参加費の一部援助
当院ではリハ栄養指導士の取得後、資格保持のための援助はありません。(職場によって待遇が異なるかと思います。)そのため、学会が主催となって行う、学術集会やリハ栄養デザイン学習会、リハ栄養フォーラムなど、リハ栄養指導士の資格を持っている方の参加費を一部援助していただけたらありがたいです。

② リハ栄養指導士への執筆や学会発表・座長などの活躍の場の提供
資格取得後、院外での活躍の場がある事で、リハ栄養指導士を目指したいという方が増えてくると思います。執筆や学術集会(シンポジウムでの発表や座長)など、活躍の場を提供していただけたらありがたいです。

③ リハ栄養指導士同士の学習・交流の提供
資格取得後も更に知識や実践能力を上げるための学習の場があるとありがたいです。学習会だけでなく、『各職場でどのような活動をしているのか?』や、『リハ栄養ケアプロセスを臨床現場でどのように行なっているのか?』などの話し合いができる交流の場があると、資格を保持に繋がると思います。

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認定栄養ケア・ステーション食サポート代表 
管理栄養士
 

西山 愛

 リハ栄養ケアプロセスを自身がしっかりと活用できるようになりたい、他職種と知識を共有してリハ栄養ケアプロセスを院内で活用できるようにしたい、と思ったのがリハビリテーション栄養指導士を受けようと思ったきっかけでした。当時私は、回復期リハ病棟の栄養管理を担う管理栄養士でした。他職種が全く栄養に興味の無い状態から少しずつリハ栄養の知識を広め、管理栄養士がいないと困ると言う状態にはなっていました。リハ×栄養のチームワークは少しずつ積み上げて形になりつつありましたが、リハ栄養ゴール設定・介入の部分はどうしても共同介入が出来なかったのです。当時の病棟内のリハ栄養管理状態は、『リハから見た栄養』と『栄養から見たリハ』が合致していませんでした。それは、「栄養のことはとても大事だと思うけど栄養のことは管理栄養士が見てくれる」という考えがまだ強かったからです。私はリハ栄養の知識はあるものの、他職種にリハ栄養ケアプロセスを指導できるほどの自信まではなく、せっかく他職種の方たちが栄養に関心を深めてくれているのでどうにかしたいと言う思いもありました。TNT-Rehabilitationのワークショップでは、リハ栄養診断とゴール設定・介入について参加者同士の議論の中で深めていくことを目的とされているので、私にはぴったりの内容でした。模擬カンファレンスのように他職種とディスカッションでき、普段の臨床でどのように他職種と患者さんを見て行ったら良いのかしっかりと学ぶことが出来ました。実際に資格を取得してからは、病棟内でどのように全職種で栄養管理を行うのかを協議したり、勉強会を開催するなど自信を持って行うことが出来ました。
現在は病院を離れて訪問栄養指導を主に行っていますが、リハ栄養指導士取得の際に学んだことは今でも十分に活かすことが出来ています。

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