部会紹介

医師部会

それぞれの職種ごとに研修会や研究、執筆、学習、交流などの活動を行う職能別活動検討委員会は、医師、管理栄養士、言語聴覚士、看護師、理学療法士、薬剤師の各部会より構成されています。多職種の会員によって構成されるリハビリテーション栄養学会において、あえて職種ごとに分かれて活動することにより、それぞれの職能をさらに磨き、臨床や研究に活かすことを目的としています。

医師部会では、①医師のリハ栄養に関する臨床研究支援、②TNT-Rehabilitation研修会への参加促進、③職能別活動検討委員会における、他職種の活動支援、④若手医師に対するリハ栄養の啓蒙などを中心に活動しています。他職種の部会活動支援では、論文やポジションペーパーの作成、雑誌の執筆や連載企画への参加などをサポートしています。基本的には主体性をもって各部会が活動しており、その中で多くの実績を残しており、さらなる発展に繋げられるようなサポートを継続していきます。また、リハ栄養の活動へ参加する医師をさらに増やすことも重要な課題と感じています。特に若手医師の参加は学会の更なる盛り上がりや持続的な発展には不可欠であり、啓蒙活動により一層力を注いでいきます。

部会長 鈴木規雄

看護師部会

看護師部会の紹介をさせていただきます。看護師部会では看護師によるリハ栄養の視点やアプローチを模索し、リハ栄養看護実践の向上につなげることを目指して活動しています。今までの活動といたしましては、書籍「サルコペニアを防ぐ!看護師によるリハビリテーション栄養」や医学界新聞での「今日から始めるリハ栄養」の連載のほか、看護系雑誌でのリハ栄養特集の執筆などを行なってきました。看護師がサルコペニア予防やケアに主体的に取り組むことで、高齢者やケアを必要とする者のADLおよびQOLの維持・向上に大きく寄与できる可能性があります。

看護師は医療現場において診療に関連した業務から療養生活の支援まで幅広い業務を担い、チーム医療のキーパーソンになり得ます。一方、看護師がサルコペニアに無関心である場合、サルコペニアの発生を助長することにつながりかねません。特に医療者の不適切なケアによって生じる医原性サルコペニアにおいては、看護師の責任も看過できません。より多くの看護師が、リハ栄養やサルコペニアに興味・関心を持ち、リハ栄養の知識を習得し、実践につなぐことができるよう活動を続けていきたいと思います、看護師の会員の皆様からのご意見を賜りつつ、より活発な活動に発展させていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

部会長 永野彩乃

管理栄養士部会

皆様、こんにちは。管理栄養士部会より活動内容をご紹介いたします。管理栄養士部会におきましては、リハ栄養の実践と進化を目標に掲げ、多くの管理栄養士の方々へお役に立てるような誌上企画、英語論文抄読会、国際学会発表支援、有料会員増目的とした企画等の取り組みを行っています。その中でも今回は2023年1月号より連載中の「リハ栄養診断推論を極める!誌上ケースカンファレンス」をご紹介したいと思います。質の高い栄養管理を実施するためには、患者の訴え、診察所見、検査値などをもとにした分析的思考プロセスである「診断推論」を行うことが不可欠です。

診断推論の能力を高めるためには症例検討を用いて分析的推論を繰り返すことが欠かせません。では、どのように進めたらいいのか?お困りの方も多いでしょう。解決するためには、栄養に関する診断推論の進め方、ゴール設定をどのように考えるかに焦点を当て、学びを深めることが重要です。本企画では、この診断推論を熟知するにはどうする?という悩める管理栄養士のためにリハ栄養の神である若林先生が直々にご指導いただき、管理栄養士側のサポートとして小蔵理事にもアドバイザーというサポートにより、リハ栄養診断推論を用いての誌上ケースカンファレンスを医歯薬薬出版様のご協力をいただき展開しております。12回シリーズの半分以上を終了しており多くの皆様から反響をいただく企画となっております。ぜひ、管理栄養士だけでなく多職種の方にもご覧になっていただきたい企画です。また、第12回学術集会におきまして、リハ飯コンテストへ多数のご協力ご尽力をいただいたこと心より御礼申し上げます。こちらも臨床栄養6月号と7月号にリハ飯コンテスト入賞者の誌面紹介が掲載されています。一緒にご覧になっていただけたら嬉しいです。これからも管理栄養士部会は、リハ栄養推進のための中心的役割となれるよう、多くの会員の方のお役に立てる企画を計画していきたいと思います。これからも管理栄養士部会をどうぞよろしくお願い申し上げます。

部会長 嶋津さゆり

理学療法士部会

理学療法士部会は、リハビリテーション栄養における理学療法(士)の役割、また理学療法にリハビリテーション栄養のコンセプトやメソッドをどのように生かすべきかを考え、多くの理学療法士にリハビリテーション栄養の重要性を伝えられるよう活動しています。
これまで、理学療法士部会を中心に、「栄養と理学療法」と「病態別栄養理学療法」の二つのポジションペーパーを公表致しました。栄養と理学療法が極めて密接に関係していること、

疾患別における栄養の問題と理学療法士の視点から見た実践方法を示すことが出来ましたが、臨床の理学療法士からはまだまだ解決すべき問題や具体的な対応策を求める声が上がってきております。
理学療法士がよりリハビリテーション栄養を通して活躍できるよう、部会からも情報発信してまいります。日本リハビリテーション栄養学会において、理学療法士の会員は多く、理学療法士の活躍が学会の活性化や発展につながります。引き続き、理学療法士部会では学会内の他の職能部会のみならず、日本栄養・嚥下理学療法学会など関連する団体と連携しながら、理学療法における栄養、栄養における理学療法の双方向の視点で臨床に役立つ活動に努めていきたいと思います。

部会長 宮崎慎二郎

言語聴覚士部会

言語聴覚士部会は、リハ栄養学会の職能別部会の中でも歴史の古い部会です。リハ栄養領域における言語聴覚士(ST)の役割の明確化、そしてSTが担うリハ栄養領域の確立を目標に、日々活動しています。主な事業としては、Facebookグループ内での論文抄読会の開催や、リハ栄養領域におけるSTの役割についてのポジションペーパーの作成などを行っています。
リハ栄養において、STは摂食嚥下障害に関わる主要な職種として重要な役割を果たします。一方で、STの専門性は摂食嚥下障害にとどまらず、高次脳機能障害や構音障害、発達障害、聴覚障害など多岐にわたります。

これらの障害と栄養の関連は未だ十分に明らかにされておりませんが、臨床的には何らかの関連性を感じておられる方も多いのではないでしょうか。本部会員の堤内さんは、回復期病棟入院の脳卒中患者において、入院時の低栄養が脳卒中後の認知機能障害と関連するという論文を発表されました(PMID: 32940865)が、こうした検証が進むことで、STが対象とする方々へのよりよいリハビリテーションにつながると考えます。ST部会は、少数精鋭の部会員で構成されており、質的・量的に十分な活動実績を挙げられてはおりませんが、STらしく地道にコツコツと活動を継続しています。ご興味のある方は是非ご参加ください。お待ち申し上げております。

部会長 鈴木 瑞恵

薬剤師部会

薬剤師部会は2022年に発足しました。職能部会としては最後の方の発足となります。日本リハビリテーション栄養学会が10年を迎えリハ栄養という概念を医療の世界でよく耳にするようになりました。10年間は日本リハ栄養学会に所属する薬剤師は栄養を専門とする薬剤師としてリハ栄養が浸透する活動を行ってきました。その活動の中でリハビリテーションや栄養に悪影響を及ぼす薬剤の存在は無視できないことを認識しました。リハビリテーションの現場では薬物療法への介入が希薄でした。また、薬剤師も生活機能を考慮した薬物療法への介入は皆無でした。そこで2018年にリハ栄養を補完するリハ薬剤が概念化されました。

薬剤師部会の大きな目標の一つにリハ薬剤の浸透があります。リハ栄養がこの10年で医療の世界でよく耳にするようになったようにリハ薬剤もまた薬剤師を中心として浸透することを願っています。現在の活動内容は薬剤師関連団体とのジョイント企画によりリハ薬剤を薬剤師業界で知ってもらう活動が中心となります。現在までに、日本病院薬剤師会や日本老年薬学会と研修企画を開催させていただきました。今後は、日本医療薬学会とのジョイントシンポジウムなどを予定しております。現状では、部会委員初期メンバーが中心となる活動となっておりますが、今後はリハ薬剤を一緒に浸透させたい薬剤師のみなさんと盛り上げていきたいと考えています。薬剤師部会の発足がコロナ禍でしたが、今後はみなさんとリアルに会ってご意見を伺っていきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

部会長 中道真理子

TOP